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就業規則で会社の業績をアップ。就業規則の「2つの機能」を知ろう!

就業規則が規則がない、あっても内容が古い……。そんな企業は思った以上に多いです。でも、すごくもったいない。就業規則をきちんと作って、内容を従業員に知らせれば、組織が変わり、社員のやる気もあがり、会社の売上向上にもつながるのです。

就業規則は、「権利」と「義務」を定めたもの

休憩、休日、休暇、給料……。
就業規則には、このような「社員の権利」がたくさん書かれています。
「労働者の権利」は、イコール、「会社の義務」です。

例えば「休憩」。労働基準法では、1日の労働時間が
・6時間を超える場合、45分以上
・8時間を超える場合、1時間以上
の休憩を与えなければならない、と定められています。

社員には、休憩をとる「権利」が法律で与えられているのです。
一方、会社は、社員に休憩を与える「義務」を負っているのです。

休日も同じ。
労働基準法では、原則として1週に1日以上の休日を与えなければならない、と決めています。
社員は、週に1日以上の休日をとる「権利」がある。
会社は、社員に週1日以上の休日を与える「義務」がある。
というわけです。

だから、多くの経営者は、就業規則の整備に消極的なのです。
会社の「義務」ばかり書かなくてはならず、うんざり……。
常時10人以上の労働者を雇う場合、就業規則の作成が「義務」であることはわかっちゃいる。
でも、どうも気が乗らない。当然、法律が変わっても、就業規則の見直しなんて、放っておく。
就業規則は、棚の奥でほこりをかぶってしまうことになるのです。

でも、就業規則には、もうひとつ大切な側面があります。
「会社の権利」についても堂々と書けるのです。
「会社の権利」は、「社員の義務」になります。
これは、大いに会社を助けます。
社員に「ちゃんと仕事をしてもらう」ことにつながるからです。

社員にきちんと働いてもらう

残業を拒否する、遅刻や早退が多い、「明日から休業します」と言う……。
社員のこうした言動に、困った経験のある社長さんは、多いのではないでしょうか?

労働基準法はあくまで、労働者を守るための法律なので、
「残業を拒んではいけない」だとか「遅刻をしてはいけない」といった、
「労働者の義務」については何も書かれていないのです。
だから、就業規則にきちんと書き込んで、社員に知らせておくべきなのです。

例えば、
「会社が残業を命じたら、拒むことはできない」
「始業時刻と同時に、全力で職務遂行に専念しなければならない」
「会社の指示や命令に忠実に従わなければならない」
「休業する場合には、医師の診断書を提出しなければならない」
という規定を置くのです。

「職場の内外にかかわらず、会社の信用を落とす行為をしてはならない」
「在職中だけでなく、退職後も、企業秘密や個人情報を漏洩してはいけない」
などの条文も必要です。

そして、懲戒処分の規定も、きちんと置くべきです。
どんなケースで、どのような懲戒処分をするのか、できるだけ具体的に書く必要があります。
これにより、社員に「就業規則を守らないと、場合によっては懲戒処分することがありうる」と伝えるのです。

ハラスメント防止規定も必要

パワハラ、セクハラ、マタハラなどのハラスメントを禁止する規定も必須です。
・何がハラスメントに当たるのか
・ハラスメントが疑われる行為があった場合、会社はどう対処するのか
・悪質なケースでは、懲戒処分することもありうる

こうしたことを、就業規則に明確に書き込んでおくのです。
「わが社は、ハラスメント防止に力を入れているんだぞ」という姿勢を示す意味でも、欠かせません。

病気で休業する社員に対しては、
・療養に専念すること(療養中にみだりに外出しないこと。他社でアルバイトをしないこと)
・定期的に、状況を会社へ報告すること
などを定めるといいでしょう。

パソコンや社有スマホのプライべート利用を禁止する規定も、多くの会社が設けています。

企業は、社員がみんなで協力して仕事をし、利益を上げるための組織です。
会社には、社員の権利を守る義務がある一方、
社員にも、守るべき義務がある。
双方がルールを守ってこそ、企業は業績を上げる基盤が整うのです。

社員の権利=会社の義務
会社の権利=社員の義務

この両方を、きちんと就業規則に盛り込んでおく。
とても大切なことです。

必ず「周知」を

きちんとした内容の就業規則を作ったら、
必ず社員に周知してください。
社員に知らせなければ、意味がありません。

基本は、だれもが、いつでも見られるようにしておくこと。
職場のわかりやすいところに、置いておけばOKです。
上司に「見せてください」と頼まなければならないような状態は、好ましくないです。

企業によっては、社員全員に配布しているところもあります。
ある程度の規模のある会社では、イントラネットで公開しています。

労働基準法では、就業規則を労働者に周知する義務を、会社に課しています。
守らないと、最悪の場合、30万円以下の罰金です。

また、労働契約法という法律では、こんなふうに書かれています。

「合理的な労働条件を定めた就業規則を労働者に周知すれば、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件による」

大雑把にいうと、きちんとした内容の就業規則を作り、社員に周知すれば、
「会社と労働者で契約(約束)した労働条件になる」ということです。
約束なのだから、お互いに守らなければなりません。

就業規則のレベルが、会社のレベルを表す

私は社長さんたちに、「就業規則説明会」を開くことをお勧めしています。
新入社員にはもちろん、長く働いている社員向けにも、毎年1回、説明会を開き、
就業規則の内容を改めて知らせてください。

その際、年次有給休暇や育児休業など、社員の関心が高い項目を説明するとともに、
「社員が守るべき義務」についても、時間を割くべきです。
就業規則の2つの機能、つまり「権利」と「義務」を説明するのです。

会社は経営者と従業員が協力し合って、運営していくもの。
そうすることで、業績が上がり、経営者も社員も幸せになれる。

規模の大小にかかわらず、このことをよく理解している会社ほど、
就業規則の整備に力を入れています。

「わが社は、きちんとした就業規則を作り、社員と共有しています」
こう言える会社なら、社員も安心ですし、会社のイメージアップにもつながるはずです。

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