
労働時間の管理、残業代の計算、ハラスメント防止など、企業の労務管理はめんどうなものが多いです。実際に、労務管理に無頓着な経営者も、少なくありません。
「そんな余裕ないよ~。まずは売上アップ!労務管理なんて最後の最後………」
気持ちはわかりますが、放っておくと思わぬダメージを負います。
いったい、どんなリスクがあるのでしょうか?
きょうは、労務管理をおろそかにした場合のリスクを、「刑事」と「民事」の2つに大きく分けて説明します。
「刑事」と「民事」

ものすご~く大雑把に言えば、「刑事事件になるリスク」と「民事トラブルのリスク」に分けられます。
ちょっと乱暴な整理のしかたですが、「刑事」と「民事」の2つなら、超多忙な経営者でも、頭の片隅にとどめておけるのではないでしょうか。
刑事事件になるリスクとは、「刑罰付きの法律」に違反し、懲役や罰金などの刑罰を科されることです。
労働関係で刑罰付きの法律と言えば、代表格は労働基準法。
労働基準法は、労働者を守るために「企業が最低限おこなうべきこと」を定めています。
「最低限のことをしない」のなら処罰するよ、というわけで、懲役刑や罰金刑が定められているのです。
例えば、こんなケースです。
労働基準法では、労働者を働かせる時間に上限を設けています。原則、1日8時間、1週40時間までです。
これを超えて働かせると違反となり、「6ヵ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」です。
(例外的に、労使間で36協定を結んで労働基準監督署に届け出ていれば、1日8時間、1週40時間を超えて働かせても罰則は適用されません。)
残業代を支払わないケースも、「6ヵ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」です。
最低賃金法にも刑罰があります。
都道府県別の最低賃金を守らないと、「50万円以下の罰金」です。
労働安全衛生法も、刑罰付きの法律です。
「労災かくしは犯罪です」というタイトルのパンフレットを見たことはないでしょうか?
「労災かくし」とは、労災事故が起きたのに労働基準監督署へ報告書を出さなかったり、うその報告書を出したりするケース。
労働安全衛生法で「50万円以下の罰金」と定められています。
また、労働者の危険や健康障害を防ぐ措置をとらなかった場合は、「6か月以下の懲役」または「50万円以下の罰金」です。
刑罰を科される行為は犯罪です。
場合によっては、経営者が犯罪者になってしまうのです。
にもかかわらず、その認識が甘い経営者が意外と多いです。
「罰金を支払えばいいんでしょ。その方が、残業代を支払うより安い」
ある経営者に、堂々とこう言われ、唖然としてしまった経験があります(-_-;)。
ちょっと乱暴な整理のしかたですが、「刑事」と「民事」の2つなら、超多忙な経営者でも、頭の片隅にとどめておけるのではないでしょうか。
刑事事件になるリスクとは、「刑罰付きの法律」に違反し、懲役や罰金などの刑罰を科されることです。
労働関係で刑罰付きの法律と言えば、代表格は労働基準法。
労働基準法は、労働者を守るために「企業が最低限おこなうべきこと」を定めています。
「最低限のことをしない」のなら処罰するよ、というわけで、懲役刑や罰金刑が定められているのです。
例えば、こんなケースです。
労働基準法では、労働者を働かせる時間に上限を設けています。原則、1日8時間、1週40時間までです。
これを超えて働かせると違反となり、「6ヵ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」です。
(例外的に、労使間で36協定を結んで労働基準監督署に届け出ていれば、1日8時間、1週40時間を超えて働かせても罰則は適用されません。)
残業代を支払わないケースも、「6ヵ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」です。
最低賃金法にも刑罰があります。
都道府県別の最低賃金を守らないと、「50万円以下の罰金」です。
労働安全衛生法も、刑罰付きの法律です。
「労災かくしは犯罪です」というタイトルのパンフレットを見たことはないでしょうか?
「労災かくし」とは、労災事故が起きたのに労働基準監督署へ報告書を出さなかったり、うその報告書を出したりするケース。
労働安全衛生法で「50万円以下の罰金」と定められています。
また、労働者の危険や健康障害を防ぐ措置をとらなかった場合は、「6か月以下の懲役」または「50万円以下の罰金」です。
刑罰を科される行為は犯罪です。
場合によっては、経営者が犯罪者になってしまうのです。
にもかかわらず、その認識が甘い経営者が意外と多いです。
「罰金を支払えばいいんでしょ。その方が、残業代を支払うより安い」
ある経営者に、堂々とこう言われ、唖然としてしまった経験があります(-_-;)。
あなどってはいけない労働基準監督官
これらの法律違反を取り締まるのが、労働基準監督署(労基署)です。
労基署には、「労働基準監督官」という職種の公務員がいます。
労働基準監督官には、警察官や麻薬取締官とおなじように、捜査、逮捕、送検する権限が与えられています。
単なる「労基署の窓口職員」ではないことを、どうかお忘れなく。
まあ、実際には、いきなり送検なんてことは、悪質なケース以外ではありません。
企業に法律違反が見つかった場合、労基署はまず改善を指導します。
改善されれば、送検まではしません。
しかし、たかをくくって指導を無視していると、痛い目にあいます。
実際に、令和3年には全国で約620件が送検されました。
労基署には、「労働基準監督官」という職種の公務員がいます。
労働基準監督官には、警察官や麻薬取締官とおなじように、捜査、逮捕、送検する権限が与えられています。
単なる「労基署の窓口職員」ではないことを、どうかお忘れなく。
まあ、実際には、いきなり送検なんてことは、悪質なケース以外ではありません。
企業に法律違反が見つかった場合、労基署はまず改善を指導します。
改善されれば、送検まではしません。
しかし、たかをくくって指導を無視していると、痛い目にあいます。
実際に、令和3年には全国で約620件が送検されました。
ハラスメントで損害賠償を請求された!

もう一つのリスクである「民事トラブル」とは、どういうケースでしょうか?
刑罰付きの法律には違反しないけれど、労働者と会社の間でトラブルが起こり、最悪の場合、民事訴訟になるようなトラブルです。
例えば、会社内で重大なハラスメント案件が発生した場合。
被害者は、加害者だけでなく、「会社にも責任がある!」として損害賠償を求めてくることがあります。
そのほか、民事訴訟に発展するのは、
①解雇された労働者が、「不当解雇だ。撤回しろ!」と主張するケース
②賃金を支払ってもらえなかった労働者が、「ちゃんと支払え!」と求めるケース
③労災事故で大けがをした労働者が、損害賠償を求めるケース
④懲戒処分を「納得できない。不当だ!」と訴えるケース
など、いろいろあります。
②の「賃金不払い」は、労働基準法違反にも該当します。
しかし、労基署が証拠を十分に集めきれず、会社を指導したり、送検したりできないことがあります。
労基署に頼れなくなった労働者は、民事訴訟で不払いの賃金を請求するしかないのです。
また、労働者の中には、最初から労基署をあてにせず、民事訴訟を視野に入れて弁護士に相談する人も少なくありません。
こうした相談にのる弁護士も増えてきています。
最悪の場合、「刑事事件になるリスク」と「民事トラブルのリスク」の両方に見舞われることも……。
例えば、過労死です。
過労死の原因が、労働基準法に違反する長時間労働だった場合、刑罰を科されるリスクがあります。
さらに、過労死させられた労働者の遺族から、民事訴訟で何千万円もの損害賠償を求められるリスクもあります。
刑罰付きの法律には違反しないけれど、労働者と会社の間でトラブルが起こり、最悪の場合、民事訴訟になるようなトラブルです。
例えば、会社内で重大なハラスメント案件が発生した場合。
被害者は、加害者だけでなく、「会社にも責任がある!」として損害賠償を求めてくることがあります。
そのほか、民事訴訟に発展するのは、
①解雇された労働者が、「不当解雇だ。撤回しろ!」と主張するケース
②賃金を支払ってもらえなかった労働者が、「ちゃんと支払え!」と求めるケース
③労災事故で大けがをした労働者が、損害賠償を求めるケース
④懲戒処分を「納得できない。不当だ!」と訴えるケース
など、いろいろあります。
②の「賃金不払い」は、労働基準法違反にも該当します。
しかし、労基署が証拠を十分に集めきれず、会社を指導したり、送検したりできないことがあります。
労基署に頼れなくなった労働者は、民事訴訟で不払いの賃金を請求するしかないのです。
また、労働者の中には、最初から労基署をあてにせず、民事訴訟を視野に入れて弁護士に相談する人も少なくありません。
こうした相談にのる弁護士も増えてきています。
最悪の場合、「刑事事件になるリスク」と「民事トラブルのリスク」の両方に見舞われることも……。
例えば、過労死です。
過労死の原因が、労働基準法に違反する長時間労働だった場合、刑罰を科されるリスクがあります。
さらに、過労死させられた労働者の遺族から、民事訴訟で何千万円もの損害賠償を求められるリスクもあります。
リスクの未然防止を
刑罰を科されて犯罪者になったり、民事訴訟で損害賠償を求められたりすれば、会社は大きなダメージを受けます。
金銭的な負担だけでなく、経営者や幹部社員は対応に追われ、てんてこ舞いになるでしょう。
社会的信用も失墜し、会社がつぶれるリスクもあるのです。
そんな悲劇を避けるためにも、普段から労務管理に気を配るようお勧めします。
金銭的な負担だけでなく、経営者や幹部社員は対応に追われ、てんてこ舞いになるでしょう。
社会的信用も失墜し、会社がつぶれるリスクもあるのです。
そんな悲劇を避けるためにも、普段から労務管理に気を配るようお勧めします。